
日本の時計ブランドの多くがクォーツ技術で世界的評価を高めていく中、オリエントは、時代の変化の中でも機械式を重視する姿勢を一貫して保ってきたブランドです。
華やかな革新や強い主張を前に出すわけでもなく、あくまで実用を軸に、機械式という選択を守り続けてきました。その背景には、単なる技術的なこだわりではなく、時計に対する明確な思想があります。
本記事では、クォーツ全盛期における機械式との向き合い方、自社ムーブメントを軸としたものづくりの考え方、そして国産機械式ブランドとしての立ち位置から、オリエントの本質を読み解きます。
目次
1. クォーツ全盛期に、なぜ機械式を手放さなかったのか

1970年代以降、クォーツ時計は「正確で、扱いやすく、安価」という価値を武器に世界を席巻しました。日本メーカーがその中心にいたことは、時計史を見ても明らかです。
その流れの中で、オリエントはクォーツへ全面的に舵を切るのではなく、機械式を軸としたものづくりを続けてきました。
この姿勢は、技術的な遅れや保守性によるものではありません。
オリエントにとって機械式時計は、単なる駆動方式ではなく、**「使う人が時計と向き合う時間を持てる道具」**としての価値を持つ存在だったからです。
精度競争から一歩距離を取り、使い続ける中で価値が伝わる時計を作る──この考え方が、後の評価につながっていきます。
2. 自社ムーブメントを軸にしてきたものづくりの歴史

オリエントの大きな特徴のひとつが、自社で機械式ムーブメントを開発・製造してきた歴史を持つことです。
外部ムーブメントを採用すれば、コストや開発負担を抑えることは可能です。それでもオリエントは、自社ムーブメントを軸とした時計作りを続けてきました。
理由は明確で、設計思想を時計全体に反映させるためです。
過度に複雑な機構を避け、構造をできるだけシンプルに保つ。その結果、扱いやすく、長期使用を前提としたムーブメントが育まれてきました。
これは「高級志向」ではなく、「実用志向」の選択です。
華美なスペックよりも、日常で安定して動き続けることを優先する──オリエントらしい判断といえるでしょう。
3. 受け継がれる「ブランドとしての判断軸」
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オリエントスター
現在、オリエントは**セイコーエプソンの時計事業の一翼を担うブランドとして展開されています。
体制としては統合されていますが、オリエントが長年培ってきた機械式を重視する設計思想や、実用を優先する考え方は、現在の製品にも一貫して受け継がれています**。
むしろ、生産や品質管理の基盤が強化されたことで、
「無理なく、長く使える機械式時計を届ける」というオリエント本来の役割は、より安定した形で続いているといえるでしょう。
4. 機械式=高級ではない、という立ち位置

オリエントは、機械式時計を「特別なもの」として切り離してきたブランドではありません。
価格帯を見ても、機械式でありながら現実的な設定が多く、日常使いの延長線上に機械式を置く姿勢が一貫しています。
これは、「機械式=高価で繊細」という一般的なイメージとは異なります。
オリエントにとって機械式とは、精度を誇示するための装置ではなく、人の生活に寄り添うための構造です。
そのため、仕上げや演出よりも、視認性や耐久性、整備のしやすさといった要素が重視されてきました。この価値観が、国内外で「実用機械式ブランド」として評価される理由のひとつです。
5. 国産機械式ブランドとしての独自ポジション
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日本には、セイコー、シチズン、オリエントという三つの大きな時計ブランドがあります。その中でオリエントは、機械式に明確な軸足を置いてきたブランドといえます。
セイコーが技術革新の幅を広げ、シチズンが精度と利便性を追求する中で、オリエントは「機械式を日常に届ける」という役割を担ってきました。
このポジションは派手ではありませんが、明確で、揺らぎのない立ち位置です。
海外市場でオリエントの評価が高いのも、こうした一貫した姿勢によるものです。価格やスペックではなく、ものづくりの考え方そのものが理解されているブランドといえるでしょう。
まとめ
オリエントが機械式を重視し続けてきた理由は、伝統や懐古趣味ではありません。
それは、時計を「使い続ける道具」として捉える、実直な思想に基づく選択です。
体制が変化した現在においても、その思想は揺らぐことなく受け継がれています。
クォーツ全盛期にも機械式との距離を保ち、自社ムーブメントを軸にしたものづくりを積み重ね、日常に寄り添う価格帯を守ってきた。その積み重ねが、現在のオリエントの評価につながっています。
静かで控えめながら、確かな芯を持つ──オリエントは、そんなブランドです。
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