カルティエ(Cartier)は、ジュエリー・時計・バッグなどを取り扱うフランスの高級宝飾ブランド。
ブランドに興味のない人さえ、その名を知らない人はいないほどの世界的知名度を誇っている。
この記事ではカルティエの歴史を通して、そのブランドの魅力に触れていきたいと思う。
カルティエの歴史について
カルティエのブランドが今も輝きを失わないのはなぜか?
その理由は、芸術性のある洗練されたデザインもさることながら、カルティエが歩んできた輝かしい歴史に秘められている。
1847年にフランス人宝石細工師ルイ・フランソワ・カルティエが、師のアドルフ・ピカールからジュエリー工房を受け継いだことから、カルティエの歴史は始まった。
はじめは個人顧客を対象としたジュエリーブティックを営んでいた。やがてウジェニー皇后が顧客となり、その後、数々の王室や皇室の御用達となっていく。
フランス国王エドワード7世には、”王の宝石商そして宝石商の王”と称えられるほどになり、カルティエは着々と輝かしい歴史を歩みはじめる。
1872年には息子のアルフレッドが共同経営者に、1898年にはアルフレッドの息子ルイと一緒に共同経営者となる。社名はこの時「アルフレッドカルティエ&フィス」と変更されている。
1904年に、カルティエ創業者ルイ・フランソワ・カルティエが死去。
同年に、ルイ・カルティエがレザーストラップの腕時計「サントス」をデザインする。
1906年に、社名を「カルティエ・フレール」とする。同年「トノーウォッチ」を作製。
以降、経営を引き継いだ息子達は、見事に創業者の魂を受け継いでおり、ポルトガル国王やロシア皇帝にシャム国王、各国の王室御用達の座を次々と獲得。名声は揺るぎないものとなっていった。
現代においてもカルティエは、高級ブランドのイメージを守り抜くとともに、一般層にも広く届くようなプロモーションを展開することで、その魅力、その輝きの歴史を更新し続けている。
ちなみに、日本で初めてのカルティエのブティックができたのは1974年、東京原宿・パレフランス2階。当時、日本市場では「カルチェ」と呼ばれていたが、1980年代後半以降「カルティエ」に統一された。
・カルティエの創業は1847年
・個人向けジュエリーブティックが、王室・皇室の御用達に
・親族経営で社名変更あり
・腕時計「サントス」が生まれたのは1904年
・腕時計「トノーウオッチが生まれたのは1906年
・日本でカルティエのブティックができたのは1974年
・1980年代後半以降、日本での呼び名は「カルチェ」から「カルティエ」へ
カルティエウオッチのデザインと歴史
カルティエの魅力はやはり芸術的でセンス溢れるデザイン。
ここでは、カルティエウオッチの数ある名作のなかから、代表モデルとも言える「サントス ドゥ カルティエ」と「タンク 」にフォーカスをあて、その魅力と歴史を探ってみる。
サントス ドゥ カルティエ
デザインについて
1904年に誕生した「サントス ドゥ カルティエ」。
フォルムの概念、ミニマリズムの追求、完璧なプロポーション、そしてディテールへのこだわりに基づき洗練されたデザイン。
スクエアフォルムの文字盤にはあえて見せるビス。自由な動きを実現するために人間工学をふまえたブレスレットの構造。
この時計の誕生の裏側には、二人の男たちの物語があった。
歴史について
「シンプルさ、実用性、革新」を3大理念としていた航空界のパイオニア”アルベルト・サントス=デュモン”。
そしてそのサントスの「飛行中に時間を確認したい」という要望を時計デザインに見事に落とし込んでみせたルイ・カルティエ・。
二人に共通しているのは、絶え間ない進化への渇望。
1904年の誕生から100年以上過ぎた今も、サントス ドゥ カルティエ ウォッチのデザインは、二人の意志を継ぐかのように、時代に合わせて進化し続けている。
・1904年に「サントス」ウオッチが誕生
・革新的なデザインと、実用性を兼ねた仕様は、現在も受け継がれている
タンク
デザインについて
「タンク」ウォッチは、戦車を上から見た時の構図に着想を得てデザインされた。時計ケースは戦車の操縦席に見立てられている。ブレスレットから続くラインを乱すことなく、その延長線上にケースを一体化させ、ラグのデザインが描かれている。
歴史について
1917年に誕生した「タンク」ウォッチは、デザインにこだわる愛好家たちの間ですぐさま大きな反響を呼んだ。その創造性は前衛的なアートと文化のシーンと共鳴し、こよなく愛された。革新力を備える「タンク」は、独自のスタイルを守りながらも、時代に合わせデザインを進化させている。
・1917年に「タンク」ウオッチ誕生
・ケースとブレスレットのラインが美しく見えるような形状
・独創性のあるデザインで芸術性が高い
カルティエの魅力とは
カルティエの歴史とデザインから見るに、その確固たるブランド力は、人々の期待に応え、信頼を守り続けてきた証とも言える。だが、けっしてブランド力に甘んじることなく進化し続ける経営姿勢もカルティエファンにとっては魅力の一つ。革新的なアイデアでもって、新たなファンをも巻き込みながら進化するブランド「カルティエ」。
今後もその魅力から目が離せない。