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オーバーホールとはなにか?

「オーバーホール」の語源
オーバーホールは英語の「overhaul」、「徹底的に点検する」という意味をもちます。
日本語では「分解掃除」という表現もよく見かけます。
類義語には「メンテナンス」や「修理点検」があります。
「メンテナンス」は「維持・保持」などを意味し、「修理点検」には「異常がないか細かく確認し、壊れたり傷ついたりしている部分に手を加えて、また使えるようにすること」を指します。
オーバーホールの作業内容
1 「分解点検」:ムーブメントを分解しながら、部品の摩耗や変形・破損箇所をひとつひとつをチェックする
2 「洗浄」:洗浄液で、部品の汚れを丁寧いに取り除く
3 「組立・注油」:不具合の調整を行いながら各部品を組み立て、必要箇所に注油する
4 「最終点検」:ムーブメント精度や実測時間・持続時間を計測し、防水検査を行う
オーバーホールの目的と意味
オーバーホールは時計の健康診断のようなものです。
時計内部の保油性やねじのゆるみ、汚れや汗によるさびなどについて早めのチェックとケアが必要です。オーバーホールをすることで、故障の原因となる見えない部分のゴミけば・汗や汚れを取り除き、磨耗した部品や、防水性の維持に不可欠なパッキン類を交換し、お買い上げ時の快適な状態に戻すことができます。
特に機械式時計は、部品同士の摩擦による潤滑油の汚れや細かな金属粉が出やすいため、定期的なオーバーホールをおすすめしています。
オーバーホールはいつすればいいの?

結論からいうと、時計に不具合があってもなくても「3〜4年に1回はオーバーホールしたほうが良い」です。
「時計が完全に止まって動かない」場合は、どなたでも修理が必要な状態だと判断できると思いますが、「時々止まる」や「たまに時間が狂う」などの不具合は、なんとなく不便を感じながらも騙し騙し使われている方も多いのではないでしょうか?また、時計が正常でも、オーバーホール時期に悩まれている方も多いと思います。
時計専用の潤滑油は精密で繊細なものを使用しており、使用しても使用していなくても、油は経年劣化は進みます。時計の不具合原因の上位に入る「油の劣化」は、部品の摩耗や破損、時計機能の不具合に繋がります。
オーバーホールの類義語で「メンテナンス」という意味があったように、定期的なオーバーホールで部品や精度を維持・保持しておきましょう。
オーバーホールのメリットとは

定期的にオーバーホールをするメリットは大きく2つあります。
1、時計を安心して使うことができる
1つは、定期的なオーバーホールをしておくことで、時計を安心して使うことができることです。
普段問題なく使えていても、内部ムーブメントの状態がわからない分、「いつ止まるだろう、、」「時間が狂っていないかなあ」と不安を感じながら使用している方も少なくないと思います。
またなかには、不具合を認識し、不便を感じながらも「時計修理窓口にいくのが面倒」「費用が高そうで見積が怖い」など、様々な事情があって、不完全なまま時計を使用している方もいると思います。
時計内部ムーブメントの精度を保ち、安心して時計を使うためにも定期的なオーバーホールをおすすめします。
2、結果的に費用を抑えることになる
もう1つは、定期的にオーバーホールしておくことは、結果的に費用を抑えることにも繋がることです。
前述の通り、時計内部ムーブメントの油の経年劣化だけは避けて通れない現象です。
不具合がないからといって、騙し騙し使い続けることで、部品同士の摩耗は進み、結果的にオーバーホールの際に交換必要部品が増えて、費用が高くなります。また、部品の供給が終了された場合は、代替や別作という手段もありますが、費用・納期・精度などを考えると満足できる結果にはなりにくいです。部品交換できない場合、最悪は「修理不可」となり、大切な時計は使えなくなります。
交換部品を減らし、費用を抑え、時計を末長く使用するためにも定期的なオーバーホールは有効です。
まとめ

オーバーホールは、時計の精度や機能を維持するための基本的な整備であると同時に、資産としての価値を守るための手段でもあります。ムーブメント内部の潤滑油は、使用の有無に関わらず経年で劣化し、放置すれば摩耗や腐食といったトラブルにつながります。
こうした変化は外見からはわかりにくいため、不具合が起きる前に、3〜4年に一度の定期的なオーバーホールを行うことが理想的です。結果として大きな故障を未然に防ぎ、修理費用の軽減にもつながります。
また、メーカー保証の継続や下取り・売却時の査定においても、オーバーホール履歴の有無は信頼性の証明となります。
大切な時計をこれからも安心して使い続けるために。あるいは、未来に託すために。
オーバーホールは、時計の現在と将来を守る大切な投資といえるでしょう。

